上田リバース会議2024 開催レポート

2024年12月23日、「上田リバース会議2024 一石八鳥でリバース!」が開催されました。この会議では、上田市が抱える人口減少や街の広がりすぎ(スプロール化)の課題について、公共交通の価値を数字で示す「クロスセクター効果」を通じて解決の糸口を探る講演をクロスセクター効果研究会の西村和記さんにしていただきました。

参加者には市民や役所関係、またオンラインで全国各地からお集まりいただき、現状の課題や解決に向けた取り組みについて、具体例を交えた講演を聞きました。

公共交通と地域の未来

まず、上田市が直面する課題として、人口が減少し街の中心部が空洞化している現状を運営の方から説明しました。この中で、電車やバスといった公共交通がどれほど地域にとって重要な役割を果たしているかを説明し、特に、公共交通は車を持たない高齢者や子どもたちにとって欠かせない存在であり、送迎負担の軽減や外出のきっかけづくりにもつながることをお話しました。

公共交通の価値を数字で示す「クロスセクター効果」

講演では、西村さんから滋賀県の近江鉄道等の例も出しながら、公共交通の価値を算出する「クロスセクター効果」という手法について解説いただきました。この手法では、鉄道がなくなった場合の代替手段にかかるコストを計算し、鉄道の存在がどれだけ地域に利益をもたらしているかを明確に示します。その結果、近江鉄道は年間で12億円以上の価値を生み出していると判断され、鉄道の存続が決定しました。

上田市でもこの方法を応用することで、別所線の重要性を具体的な数字で示し、地域全体でその価値を共有することが期待されます。

ディスカッション

講演後は、クロスセクター効果の計算方法や活用についてSlidoを用いながら活発な意見交換が行われました。参加者からは「公共交通の価値をもっと多くの人に伝えるべきだ」「医療費の効果は算出できないのか」といった質問が寄せられました。

次回予告

1月には「上田まちなかデザイン会議」や「富山市の富歩活アプリに学ぶセミナー」を開催する予定です。また、イベント告知させていただきますので乞うご期待。